家は購入買う前に知るべき手続き・費用・基礎知識情報
マイホームが欲しい!家の購入を考えている方へ。事前の準備は大丈夫ですか?戸建、マンション、新築、中古。どのような物件であるにせよ、家の購入には想像以上に煩雑な事務手続きが付いて回ります。費用も含めて、もう1度下調べをしておきましょう。
手続きのはじまりは家の購入を決めたとき
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出典: ourhumbleabodeblog.com
マイホームを手に入れたい。そう思ったときが家の購入手続きのスタート地点だといわれたら、大げさだと思いますか?でも、そうなんです。
住まいはご家族みなさんの生活の基盤です。と同時に、住宅にかかる費用は人生の3大資金のトップにあげられるほど大きなものです。その「住宅」を 賃貸ではなく購入という形で使用する決断をしたのですから。
家の購入で1番大切なのは、ライフプランです。3大資金の残り2つは「教育資金」「老後資金」です。ご家族の家族構成、購入者の年齢、職業、ライフスタイルによって「住宅資金」はいくらくらいが妥当か、どこに住むのがベストかをキチンと考えてから行動を起こしましょう。
購入手続きの流れ
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出典: iewokau34.com
はじめに、手続きの全体像をつかんでおきましょう。
1.家さがし
2.不動産購入の申込み
3.契約手続き
・重要事項の説明と署名、捺印
・不動産売買契約の締結
・手付金の支払い
4.住宅ローンの申込みと契約
5.内覧会(竣工検査)
6.決済(残代金の支払い)・引き渡し(所有権移転登記)
7.引っ越し
それでは、各項目ごとにチェックしてみましょう。
1. 家さがし
? 情報収集
貴方はどのような家で暮らしたいですか?住まいとして購入できる物件の種類は戸建・マンションで、それぞれ新築・中古があります。しっかりと情報収集をしてから絞り込んでいきましょう。
情報収集には広告や雑誌、インターネットを活用しましょう。地域の下調べを兼ねて現地の不動産会社を訪れ、相場や最新物件の話を聞いてみても良いですね。ただし、勢いで契約してしまうことのないように。即断は禁物です。
物件の種類を見てみましょう
? 購入のための会社選び
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出典: www.ledoux.fr
不動産の購入方法は次の3とおりです。購入する物件により、関わりのある会社が違ってくることを覚えておいてください。
・売主から直接購入する
・販売代理店を通して購入する
・仲介(媒介)会社を通して購入する
取引形態によって、手数料などの経費面でも違いが出てきます。ご自分の購入スタイルに合った、信頼できる会社を選んでくださいね。
会社の種類を知りましょう
? 現地見学を忘れずに
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購入物件の種類を決めたら、必ず現地見学をしてください。特に中古物件の場合は建物の状況を確認して、納得してから購入したいですよね。新築でも、モデルハウスなどで付帯施設や地域の状況を把握するうえで重要です。
物件決定の前に、5件くらい見て回るのは普通です。マンションなどの現地見学会で、担当の方に説明を聞いてみましょう。そのときの対応なども会社選びの参考になります。
2. 不動産購入の申込み
申込み⇒交渉⇒売主との合意(交渉成立)⇒契約予定日の設定
[必要なもの 印鑑、申込証拠金(不要な物件もある)など]
※指値(値引き交渉)などの必要がなければその場で交渉成立となります
契約予定日の設定をします。(通常1は週間以内)
※契約日には手付金等の支払いがあることをお忘れなく!
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出典: ja.wikipedia.org
なお、不動産の売買契約や登記などの法的手続きに使用する印鑑は実印です。
事前に必ず印鑑登録を済ませておきましょう。
※登録先は住民票のあるところです。印鑑登録に必要な書類や印鑑登録証明書の即日発行が可能かどうかは、お住まいの自治体担当窓口までお問い合わせください。
3. 契約手続き
契約を結んだら、簡単に解除はできません。そのことを肝に銘じて契約に臨んでください。
[必要なもの 印鑑、印鑑登録証明書、手付金、諸費用(*印紙税等)など]
? 重要事項の説明と署名、捺印
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出典: chester-tax.com
物件や取引条件に関する一定の重要事項の説明をすることが義務付けられています。
※重要事項説明書には専門用語が多くて大変ですが、不明点はしっかり確認してください。
※1〜2時間は見ておきましょう。
不動産用語集はこちら
? 不動産売買契約の締結
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出典: urashio.exblog.jp
契約書の内容確認、修正申込み⇒合意⇒締結(署名・捺印)
※申込み時に契約書(案)をもらっておき、事前に内容を確認しておきます。契約書で見るべきポイントは、インターネットで調べられます。
※特にローンを利用する場合は、ローン条項に記載されている内容もしっかりと確認しておきましょう。
売買契約の詳細はこちら
? 手付金の支払い
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出典: iewokau34.com
手付金を支払い、契約終了となります。
※手付金は最終的に購入金額の一部になります。
契約は、家の購入において最も重要な手続きですよね。当然、時間も気力も必要です。売主と買主は対等です。相手のペースに流されないように、しっかりと下準備をして、後悔のないようにしたいものですね。
4. 住宅ローンの申込みと契約
借入申込み ⇒貸付承認(審査・融資決定) ⇒金銭消費貸借契約
※金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく) ローン契約のこと
[必要なもの 印鑑、金融機関が指定する審査に必要な書類など]
契約から物件の引き渡しの間に、購入資金を調達しなければなりません。大抵は住宅ローンなどを利用されるかと思います。申込みから融資の決定まで、10日〜3週間くらいは見ておきましょう。
※本申込み前に、無料の「事前審査」を通しておくと安心です。
※火災保険申込み手続きもあります。
5. 内覧会(竣工検査)
内覧会とは、新築住宅の引渡しを受ける前に、買主(または施主)が契約した住宅の仕上りをチェックする機会であり、引き渡し前の最終契約確認の場です。
※引き渡しの1カ月前くらいに行われます。30分〜2時間くらいかかります。
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出典: 00002.sakura-his.com
・完成した住宅の確認
図面通りになっているか、配線、水道の状態、施工の状態を確認します。
・施工不良に気づいたら、修理の申請をしてください。
※水平器・メジャー・懐中電灯を持参すると、床の傾き、部屋の広さ、床下や天井裏のチェックに役立ちます。
・再内覧会
修理申請した箇所の状態確認をします。問題なく修理されていれば、確認書に署名・捺印をします。
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出典: t-syou.com
専門知識のない自分だけの確認では、見た目の傷や傾きくらいしか気づかないかもしない、そう懸念される方も多いことでしょう。
別途費用がかかりますが、第三者の専門家(内覧会同行業者)に同行を依頼して、自分の代わりに施工精度・品質のチェックをしてもらう方法もありますよ。
6. 決済(残代金の支払い)・引き渡し(所有権移転登記)
引き渡しの日には、残代金を支払って不動産の登記を済ませ、住宅の鍵を受け取ります。住宅ローンを利用する場合には、銀行で借入を行いその場で売主に残代金を支払うので、引き渡しも金融機関で行うことが多いようです。
決済と引き渡しの手続きは、必ず契約者本人が行います。また抵当権の設定や不動産登記手続きもありますから、共有名義の場合は名義者全員の立ち合いが必要です。
? 決済
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出典: enbac.com
抵当権の設定 ⇒融資の実行(購入資金の受取り) ⇒決済(残代金支払い)
[必要なもの 印鑑証明書、印鑑、*諸費用など]
抵当権の設定の実務は司法書士が行うことになっています。
銀行の用意する各種書類を確認し記入・捺印します。
※法務局に支払う税金、司法書士手数料などを支払って購入資金を受取り、物件の残代金を支払います。
抵当権設定とは
? 登記手続き(所有権移転登記)と鍵の受取り
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出典: www.mirror.co.uk
不動産登記は、通常、引渡し・決済日の当日に司法書士が書類一式を揃えて、法務局で申請します。
・決済の確認と登記に必要な書類の記入を済ませ、鍵を受け取ります。
※鍵の受取り後に、現地でガス・水道・電気の開始手続きや、給湯やキッチンなどの施設使用上の説明会が設定されていることもあります。「暮らしの安心」を 鍵と一緒に受け取ってくださいね。
7. 引っ越し
入居日を決めます。
新築マンション購入の場合、一斉入居となるため、売主から入居期間を指定されることがあります。
引っ越し前にやらなければならないこと
・事務手続き
役所への転出転入手続き、銀行や郵便局などへの住所変更手続き、電気、ガス、水道、新聞などへの転出・転入届け、電話の移転手続き、転校手続きなど
・引っ越し業者の決定
・荷造り、粗大ごみなどの処分、食料品の整理、大掃除、近隣への挨拶など
かかる費用はどのくらい?
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出典: mansion-free.com
おわかりかと思いますが、家の購入では代金以外にも支払うお金がたくさんあります。いわゆる「諸費用」と呼ばれるものですが、これがけっこう半端ではありません。
“何に、どのくらい、いつ”支払わなければいけないのかを知らないと、大変なことになりますよ!
家の購入に必要なお金の種類
購入費用
・代金(物件の価格)
・申込証拠金(2〜10万円 *不要な物件もある)
・印紙税
売買契約(*物件価格1,000万超〜5,000万以下→1万)
ローン契約(*借入金額1,000万超〜5,000万以下→2万)
・仲介手数料(上限:価格の3.24%+6.48万円 *不要な場合もある)
※購入物件と取引形態により異なります。
購入諸費用(登記費用等)
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出典: blog.credit.com
だいたいですが、価格の10%くらいを目安に考えてみましょう。金額が高いことに驚かれるかもしれませんね。実は登記費用というのは、物件の価格と取扱形態、ローンの利用、取り扱う司法書士事務所により違いが出るものなのです。
希望する物件の情報(場所・価格・新築・中古)とローン利用金額を想定し、いくつかの司法書士事務所のサイトで経費を調べて、必要な費用を用意しておきましょう。
登記費用に含まれるものは次の4つです。
? 登録免許税
所有権移転登記、所有権保存登記、*表題登記、抵当権設定登記には「登録免許税」という税金がかかります。
※新築の建物には、所有者を含む建物の情報を登録する必要があります。このことを表題登記(建物表題登記)といいます。
土地、建物の評価額や借入金額で税率が変わるため、金額が大きければそれだけ税も高くなります。
? 登記事項証明書、*不動産登記情報取得手数料、住宅用家屋証明書など
※2004年の不動産登記法改正後、従来の「権利証」に代わり、「登記別識別情報(登記所が無作為に選んだ12桁の英数字で名義人を識別するためのもの)」が通知されることになりました。
? 司法書士への報酬(*報酬は事務所によって異なります。)
?土地家屋調査士への報酬(表題登記申請手続きの報酬 事務所によって異なります。)
物件により必要になる費用
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出典: ure.pia.co.jp
・修繕積立基金(新築マンション)
地域や物件、住戸の広さによって20万円台〜40万円台と幅があります。
・水道負担金(新築一戸建て)
新たに水道を利用する際に必要になる場合があります。自治体により異なる。
※また、中古物件の購入でリフォームをする場合は、リフォーム費用が必要です。
入居費用
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・引越し費用
4人家族の一般的な引越し費用の目安は15万円程度(移動距離や家具の量、サービスプランによって異なります)
・家具購入費用
カーテン、照明器具、エアコンなど、入居時に購入する必要があるものと、引越しを機に購入したい家具に分けて具体的な購入プランを立ててください。必要な資金を手元に残しておきましょう。
税金
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出典: 1okuen.hatenablog.com
・不動産取得税
※引渡しの半年〜1年半後に、都道府県から納税通知書が送られてきます。
物件によりますが、軽減措置を受けられる場合があります。都道府県によって手続きが異なり、所定の期間内に申告が必要なケースもあるので、家の購入を決めたら不動産会社や都道府県の担当課に問い合わせておきましょう。
・消費税
物件購入価格以外にも、仲介手数料、リフォーム費用、司法書士報酬などには消費税がかかります。
住まいの税金 詳細ページ
お金を支払うのはいつ?
物件によって、仲介手数料や残代金などの支払い時期が違います。ローンを組むときには注意が必要です。
【新築の場合】
・購入物件が決まったらすぐに支払う
購入申込み→申込証拠金(2万円〜10万円。不要な物件もある)
売買契約→手付金(価格の5%〜10%)、印紙税(1万円)など
・引渡しまでに支払う
ローン契約→印紙税(2万円)
引渡し前→購入物件の残代金(物件価格−手付金等)
購入諸費用(新築マンションは価格の3%〜5%、新築一戸建ては6%〜10%)
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出典: cargocollective.com
【中古の場合】
・購入物件が決まったらすぐに支払う
売買契約→手付金(価格の10%)、購入諸費用全額(価格の1.7%程度)
・引渡しまでに支払う
ローン契約→印紙税(2万円)
引渡し前→購入物件の残代金(物件価格−手付金等)
購入諸費用(価格の6%〜10%)
※リフォームする場合は、別途リフォーム費用が必要です。
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出典: myhome.nifty.com
【土地を購入してから家を建てる場合】
「土地の購入」「家の建築」の2段階の手続きを踏むことになるので、かなり複雑です。
費用の種類や支払時期などの参考ページがありますので、そちらをご覧ください。
参考ページはこちら
購入時に注意すべきポイント
キャンセルについて理解しておきましょう
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出典: rollingout.com
お気に入りの物件でも、購入を見送らなくてはならない場合があるかもしれません。
・契約前のキャンセルなら、費用を請求されることはありません。
※トラブルを防ぐために、申込証拠金を支払うときは、受取書などに「無利息で全額返金するという記載」があるかを確認してください。
・契約後のキャンセル→買主側からのキャンセルはNG
※自己都合によるキャンセルの場合は、「手付金」は返金されませんので注意してください。
「住宅ローン特約」による返金について
Tax refund
出典: blog.turbotax.intuit.com
住宅ローンの審査に通らず、残金を用意できなかった場合には、全額返金されます。
ただし、契約書のローン条項に「○○銀行他」「○○銀行等」と記載されている場合は注意が必要です。
ノンバンクが申請先に含まれているのかどうか非常にあいまいですね。
※契約時に審査が通らなかった場合はどうなるのかをキチンと確認しておき、あいまいな表記は訂正してもらってから契約してください。
無理のない予算を組みましょう(ローン金額の設定)
Budget planning
出典: firsttimehouseflipping.com
毎月の返済額は、月収の25%以内が目安と言われています。
年収が500万の場合は
500÷12=41 41×0.25≒10
毎月の返済額は、10万円以内が目安になります。
購入してから、家族で暮らせる年数はどのくらいでしょうか。家族旅行などの思い出も作りたいですよね。ライフプランや生活スタイルを考え合わせて、無理のない予算を組んでくださいね。
家を選ぶときに考えることは
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出典: satsukidai.jp
・住環境に問題はありませんか
治安・騒音・生活に必要な施設までの距離・嫌悪施設の有無など
・自分たちが快適に暮らせる家ですか
子どもや高齢の居住者に対して安全への配慮はあるか、ペットは飼えるかなど
・耐震性や構造は安心できるものですか
・自分たちが使いやすい間取りでしょうか
暮らしやすい地域、建物であるかを良く見極めて、「これなら絶対好きになれる」という自信の持てる家を購入してくださいね♪
コツ・ポイント
いかがでしたか。家を購入するということは「ご家族みなさんが、将来にわたり安心して生活していける場所を手に入れる」ということなのではないでしょうか。「住まう地域や物件のプチ専門家になる」くらい しっかり情報収集をして、入居後の不安をなくしてから購入してくださいね。ステキな家に巡り合えますように。
公開日:
最終更新日:2017/01/23