家を建てるには明確なスケジュールと無理のない資金計画が必要
家を建てるならやはり自分が理想とする家を建てたいものです。でもいざ家を建てようと思っても、まず何からすればいいかわからない人も多いでしょう。土地探し?展示場などへ見学?地域の工務店探し?家が建つまでのスケジュールに、それに伴うお金の流れを紹介します。
家づくりのスケジュール
1.資金計画を立てて総予算を決定
20161026132909
家を建てるには当然ですが多額のお金が掛かります。自己資金として用意できる金額を把握して、土地購入にいくら、建物にいくら使いかを事前に決めておく必要があります。
購入諸費用は「土地代金+家の工事費用」の6%〜10%が目安ですが、土地の条件や建築工事のスケジュール、住宅ローンの借り方によってはこれよりも多くなることも。毎月の支払額と返済期間から無理なく返済できる借り入れ借入額を計算するために、住宅ローン商品の資料を集めておきます。
2.建てる土地を決めよう
20161026132911
予算が決まれば、次は家をどこに建てるかの土地を探します(建て替えやすでに土地がある場合は不要)。予算や広さ、沿線・最寄駅からのアクセス、学校に通う子供がいる場合は校区内か、それとも転校させるのか。
土地を探すときは不動産会社や、建築会社などが決まっている場合は一緒に土地を見て回ると、プロの目から希望する家を建てられる条件の土地かも判断してもらえるのでスムーズにいく場合もあります。
3.建てたい家のイメージづくり
20161026132914
土地が決まれば敷地面積などを確認すればどんな広さや高さの家が建てられるか条件が明らかになります。さらに道路と敷地との高低差、隣家との間隔などの周辺状況も確認することで、光や風の入り方、近隣からの視線の入り方などを考慮して建てたい家のイメージを固めます。
これから何十年と家族か生活する場になる家。家族全員でじっくりと話しあっておくことが大切です。
4.建築計画に必要な情報収集
Komazawa st3
建てる家のイメージが固まったら実際に建ててもらう依頼先を決める必要があります。展示会や見学会に足を運び、それぞれの特徴を理解して希望に沿った会社を決めます。
ただいきなり決めるのではなく候補を数社に絞り、希望の条件を提示してラフプランや概算見積もり、保証体制などを見比べながら最終的に依頼先を選びましょう。
5.設計申込後にプラン詳細を決定
20161026132915
依頼先の会社が見つかった「設計申込」を行い、設計料が10万円〜かかります。この時点でやはり合わないと思えば、キャンセルすることも可能です。
その後建築士やインテリアコーディネーターにアドバイスを受けながら間取りやキッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備をどれにするか、コンセントの配置や電気スイッチなど細かいことを打ち合わせます。
6.工事請負契約及び住宅ローンの申し込み
20161026132917
建物のプランが決まれば工事請負契約を結びます。最終的な見積書や設計図書、さらに契約に関するさまざまな取り決めを記載した工事請負契約約款を確認します。
契約すると後戻りが出来なくなるので、疑問に思うことは前もって担当者に問い合わせをしておきましょう。そして自分に合った住宅ローンを選び、申し込みます。
7.ご近所への挨拶を済ませたら工事スタート
20161026132919
建築中は資材の搬入や騒音の発生など、近隣に迷惑をかけることになるため、挨拶周りは欠かせません。営業担当者や工事責任者と一緒に工事の日程や特に音などが発生しそうな時期を説明するとトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
地鎮祭を行い工事スタート。柱や梁などの骨組みが完成して屋根が掛った段階で工事の安全を願い上棟式を行います。
8.完成そしてお引越し
20161026132920
建物が完成したら竣工検査の立ち会い。床や壁などの汚れ、建具の不具合、設備の動作などを細かくチェックしましょう。その後施工会社が作成した「工事完了書」に押印し、鍵と保証書、確認検査機関による検査済証を受け取り、引き渡しとなります。後、登記を済ませ、家を担保に住宅ローンが実行されます。
引越し日が決まったらライフラインの手続きや、引越し会社の手配、税金が軽くなる手続きなど忘れずに行いましょう。
家を建てる時の依頼先
設計から施工まで1つの会社「ハウスメーカー」
E381b8e383bce38399e383abe3838fe382a6e382b93
広範囲な営業網をもつ積水ハウス、パナホーム、ヘーベルハウス、ミサワホームなど大手の住宅建築会社。営業から設計、工事、アフターサービスまでを一つの会社で行います。
ハウスメーカーが建てる家は、工場生産された部材を図面に合わせて現場で組み立てていく「一品生産品」。前加工することによって建物自体の原価を大幅にコストダウンすることが出来、品質を一定の水準に保つことが可能になっています。
地域密着の建築会社「工務店」
P3310003
地域に密着した建築会社。設計から施工、アフターメンテナンスまで一社で行う店から、設計事務所と連携している店、特定の建材・設備などを使った住宅を商品化して販売してる店など、工務店によって違いがあります。
社長兼大工と言った小規模経営から、従業員が数百人というところまで、規模に大きな幅があり、個人住宅を請負うのは主に50人くらいまでの中小工務店が中心となります。
住宅希望を実現する建築士「設計事務所」
20161026132922
建築士が運営する事務所。1人がメインとなる建築家の個人事務所である場合や、複数の建築家が共同で運営する組織事務所の場合があります。
施工会社とは独立し、設計と工事監理を専門に行い、建築工事は協力建築会社に依頼することになります。建主の希望する住宅性能を実現するため、建物の使い勝手や快適性を踏まえた空間などのデザインを重視しています。
分譲系ビルダー
20161026132924
不動産系の「建売」住宅販売会社。希望にあった家を建築するのではなく、土地と出来上がった建物をセットで販売する新築分譲住宅。購入価格が明示され、住宅の間取りや設備・使用があらかじめ決まっているので、短期間でマイホームを購入することが出来ます。
ただ完成した住宅を購入するため、自由度は期待出来ません。ただ契約後に家づくりを始める場合は要望などを聞いてもらえる形態もありますが、追加工事費用が発生する場合があります。
家を建てる費用とその後のお金
【土地】購入時に支払うお金
20161026132957
土地の売買契約時に土地の代金の10%程度の「手付金」を払います。その後敷地の測量、法廷制限のチェック、周辺状況の調査、地盤調査料が5〜10万円ほど。
さらに売買契約書に収入印紙を貼る形で収める「印紙税」(住宅用地であれば1〜2万円ほど)と、不動産会社を通して土地を買った際に売買代金の3.24%+6.48万円(税込)を上限とする「仲介手数料」の半分を契約時と残金決済時に半金ずつ不動産会社に払います。
【家】工事請負契約前後に支払うお金
20161026132925
最終見積もりに合意し、請負契約を結べば工事が開始。工事費用は工事の段階ごとに4回程度に分けて支払うことが多いです。ただ申込んだ住宅ローンによっては建物が完成してから一括で払う場合と、支払時期に合わせて分割して支払われるものがあります。
請負契約時には、工事費用の約10%の工事契約金や、法に定められた建築物をその地域で建築する際に必要な建築確認申請費用(建物や地域によって異なり目安は10〜30万円ほど)を払います。
【家】着工時と上棟時に払うお金
20161026132927
着工事に工事費用の約30%の着工金を払い、さらに地鎮祭の祭壇をつくる費用や神主さんへの謝礼(相場は3万円〜6万円だが地域によって異なる)、近所への挨拶回り時の粗品費用が掛かります。
上棟時にも中間金として工事費用の約30%を支払い、家の骨組みが出来上がったときに工事関係者と安全を祈願する上棟式の費用10万円前後(内容によって異なる)がかかります。
【家】引き渡し前後に払うお金
20161026132928
工事が完了し、家を引き渡す前の残金決済で残りの工事費用約30%を支払い、もし請負契約の内容とは別に生じた追加工事などがある場合はそのお金もこの時に支払います。
また登記簿に新築建物を登記する表示登記に、所有権を示す所有権保存登記などの登記費用、登記簿手続きを司法書士等への依頼する場合の費用、火災保険料などもかかります。
【家】住宅ローンに関するお金
20161026132930
工事請負契約を結んだ後に申し込む住宅ローン。申込む銀行やローンの種類によって違いますが、引渡し前の残金決済直前に融資額を契約者の口座に振り込んでくれます。そこから売主へとお金を払います。
ただローン実行と同時に、ローンを組むのに必要な保証料(2000万円借り入れで45万ほどが相場)や、事務手数料が同時に引き落とされることになるので、それを見越した上でしっかりと金額を確認しましょう。
マイホーム購入後に支払うお金
20161026132931
引き渡しが終わった後にまずかかるお金が引越し費用やカーテン、照明器具、エアコン、家具などの入居費用。そして最長35年間、毎月続く住宅ローン返済。
引渡し半年〜1年半後に建物や土地を取得・新築するとかかる1回だけの不動産取得税に、毎年4月ごろには家や土地など不動産の所有者にかけられる固定資産税。さらに長い目で見れば必要になる修繕リフォーム費用。十数年先まで見越した費用の準備を忘れてはいけません。
コツ・ポイント
家は一生に一度の大きな買い物です。家を建てるには土地や建物以外にもたくさんのお金が必要となり、それを見落とすことで理想の家から遠ざかってしまったり、無理な支払をして生活が苦しいなどとなっては元も子もありません。きちんと家づくりにかかわるスケジュールとお金がの流れを知って、理想のマイホームを手に入れてください。
公開日:
最終更新日:2017/01/23